おやじ弁護士の日常(龍ちゃんブログ)

香川県高松市にある小早川法律事務所の弁護士のブログです。

規範の川

 私は,四国ロースクール(正確には,香川大学大学院香川大学・愛媛大学連合法務研究科)の教授をしているので,本来は,四国ロースクールの授業を担当するのですが,今年は1コマだけ,法学部の2年生のプロゼミという演習を担当させてもらっています。

 私のような実務家教員が,法学部のゼミを持つのは珍しいので,学生も興味があったのか,申込者が多く抽選で19名が選ばれました。

 大学2年生と言えば,娘と同級生の学年。
 いろんな服装の子がいるし,ゼミに遅れてくる子もたまにいます。
 娘や息子もちゃんと大学で勉強してるのかなあなどと考えてしまいます。


 
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(2009/05)
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 このテキストを使って毎回学生の報告してもらって,その後,演習を行います。
 ロースクールではなく,まだ,法律を勉強して間もない学生らの演習ですので,結構,不思議な質問や意見も多いのですが,逆に,「そんな風に考えたりするんだ」と思うことも。きっと,裁判員裁判の役に立つだろうなとも感じます。

 今回のテーマは「責任能力」。
 なぜ,無差別殺人で何人もの人を殺した人が,無罪になったりすることがあるのか,一般の方には疑問に思われるかもしれません。そんなテーマでした。
 私の大学の研究室の先輩である立石検事から教わった,「規範の川」の話を学生にしながら,少しでも理解してくれればいいなと思いました。
 
 「規範の川」とは,人にはいろんな欲望があって,例えば,人を殺したいと思うことがあるかもしれない,でも,その人の前には,「人を殺してはいけない」という,「規範の川」が横たわっており,皆,その川を見て,立ち止まり,川を渡ることなく,思いとどまる。
 しかし,この「規範の川」に直面しながら,あえてこれを渡り,犯行を行ったものについて,それを非難し,犯罪を行ったものとして処罰する。
 そういう考え方で処罰しているのです。
 ところが,薬物や精神的な問題などにより,その「規範の川」自体が見えない人がいる。
 その人については,「規範の川」が,見えていない以上,それを無視して渡ったとは非難できず,むしろ,何故見えなかったのかを調べた上,治療すべきである。
 それが責任能力の問題なのです。
 立石先輩,この説明で合っているでしょうか。

 このプロゼミでは,裁判傍聴を行ったり,検察庁見学行ったり,裁判員裁判関係のDVDなどを見たりといろんな角度からの演習も行いました。
 裁判官や検事から直接お話しを聞くことも出来て,学生の法曹に対する興味もわいてきたようです。

 毎回学生に書いてもらう演習の感想も概ね良好なようで,中には,「ゼミは楽しい。もうすぐゼミが終わるので寂しい。」と言ってくれる学生もいて,ありがたいことだと思っています。
 これを機会に,少しでも法学部の学生が,四国ロースクールに入ってくれて,法曹をめざしてほしいと思っています。


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弁護士 小早川龍司

Author:弁護士 小早川龍司
香川県高松市にある小早川法律事務所の弁護士(香川県弁護士会所属)です。
刑事弁護を中心に離婚,相続,交通事故等の様々な事件を担当しています。
二番丁おやじ会会長,二番丁地区体育協会会長など地域の活動も積極的に行っています。

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